Chapter 4 解釈可能なモデル

解釈可能性を手に入れる最も簡単な方法は、 解釈可能なモデルを作るようなアルゴリズムのみを使うことです。 線形回帰や、ロジスティック回帰、決定木は一般的に用いられる解釈可能なモデルです。

以下の章ではこれらのモデルについて紹介します。 既に多くの本や動画、チュートリアル、論文、その他閲覧可能なものが存在するので、細部には拘らず、基本的なことのみに留めます。 特に、モデルの解釈方法に焦点を当てます。 本書では線形回帰ロジスティック回帰その他の線形回帰の拡張決定木決定規則RuleFitについてより詳細に記述されています。 また、その他の解釈可能なモデルもいくつか挙げています。

本書で説明されている全ての解釈可能なモデルは、k近傍法を除いてモジュールレベルで解釈可能です。 後述の表は解釈可能なモデルの種類と特性を示しています。

特徴量と目的変数との関係が線形にモデル化されている場合,そのモデルは線形であると言います。 単調制約を持つモデルは、特徴量の全域にわたって、特徴量と目的変数が常に同じ方向に変化することを保証します。 特徴量が増加すると、目的変数は常に増加する、または減少するかのどちらかになります。 単調性は関係性を理解しやすくするため、モデルの解釈に有用です。 一部のモデルでは、目的変数の出力を予測するための特徴量間の交互作用を自動的に含めることができます。

手動で特徴量の交互作用を含めることで、あらゆる種類のモデルに交互作用を含めることができます。 交互作用項を導入することで、予測性能を改善できますが、多すぎるもしくは複雑すぎる交互作用は解釈性を損なう可能性があります。 いくつかのモデルは、回帰または、分類のみであり、どちらも対応可能なモデルもあります。

この表から、回帰 (regr) もしくは分類 (class) のタスクに対して、適切な解釈可能モデルを選べます。

アルゴリズム 線形性 単調性 交互作用 タスク
線形回帰 あり あり なし regr
ロジスティック回帰 なし あり なし class
決定木 なし いくつか あり class, regr
RuleFit あり なし あり class, regr
単純ベイズ法 なし あり なし class
k近傍法 なし なし なし class, regr